ウォークマンで世界を制したソニーはどこへ行ったのでしょうか。アップルに一人勝ちを許している日本の家電メーカーはどこで道を誤ったのでしょうか。「Made in Japan=高品質」という名声を誇ったわが国の製造業が栄枯盛衰を見ている一方、ユニクロ、セブンイレブン、マクドナルドといった企業は元気です。この違いはどこからくるのでしょうか。ビジネスモデルの変遷というキーワードから、時代の流れを西岡郁夫氏が読み解きました。
講演は西岡氏自身の紹介から始まりました。氏が業界で一躍注目を浴びるようになったのは、シャープのコンピュータ事業部長のときに、ハードディスク内蔵で世界最小・最薄・最軽量のノートパソコンを初めて開発してからのこと。「世界最大のコンピュータ展示会『コムデックス』で20台のノートパソコンを陳列しました。これがアメリカで認められ、たくさん賞を取りました」(西岡氏)。
その後、日本法人代表取締役社長、代表取締役会長を歴任し、現在では「西岡塾」の塾長としてビジネスのプロフェッショナル育成に努めています。
この西岡塾で勉強の一つの対象となっているのが「ビジネスモデル研究」です。西岡氏は「メーカーの勝手読みで高品質な製品を作っても売れない時代になってしまいました。現在は商品のバリューをお客様と作っていくプラットホームの提供が求められ、勝つための戦略、魅力あるストーリーを持ったビジネスモデルが求められています」と訴えます。
ここで、西岡氏はかつて世界で名声を誇ったソニーを取り上げ、「アップルに勝てない原因は何だと思いますか?」など、来場されたお客様に質問を投げかけながら、独自の分析を展開します。
「ウォークマンは、それまでミュージックプレイヤーに必須とされていた『録音機能を排除して小型化し、コンテンツである楽曲の流通の道を拓いた』ことがビジネスモデルの大きな変革でした。しかし、今ではアップルの『コンテンツを流通させるプラットホームの提供という新しいビジネスモデル』でソニーは大きく水を開けられてしまいました。ソニーはコンテンツ重視の考え方が裏目に出てコンテンツの自社開発、囲い込みという間違った方向に邁進してしまったのです。アップルのプラットホームの提供はその上で活躍するベンチャーを育てコンテンツを増やし、お客様が『使うほどに価値が向上する商品』というビジネスモデルを確立したのです。まさにビジネスモデル・イノベーションです。「サービスはもちろん、ものづくりへのこだわりも捨てなかったことがアップルの創始者スティーブ・ジョブスの成功要因でしょう」と、西岡氏は指摘します。
引き続き、西岡氏は、ファーストファッションという新たな市場で成功しているZARAとH&Mを取り上げます。「企画・製造から販売までを一貫して行うビジネスモデルにより、企画→開発→生産→販売のサイクルを最短2週間で行うという猛スピードで行い、世界中の若者達の心を射止め、ともに売上1兆数千億円、利益率は10%を超えています」と、両社の業績表を示しました…
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