前セミナー「B33 IFRS任意適用事例の分析で見えてくる Goalから学ぶIFRS対応の道しるべ」を受けて、IFRSをどのようにとらえ、導入していけばいいかを、オービックならではの視点でご紹介しました。また、「OBIC7」での具体的な対応機能をご覧いただきました。途中で来場者に質問を挟みながら、飽きさせない内容となっていました。
IFRS対応には「GAPアプローチ」と「Goalアプローチ」が考えられます。
GAPアプローチは情報収集から始まって、影響度の分析、影響度の分析、さらに運用も含めて、プロセス改善も行って本番稼働を迎えます。既存システムをスクラップして構築する際、に適したアプローチ方法です。
一方Goalアプローチは、情報収集は一緒ですが、開示結果を踏まえて、今あるものをどう変えていけばいいかを検討し、最小の範囲で進めていきます。既存の仕組みを利用しながら、早く最小限の労力で構築するアプローチです。おそらく、多くの企業において採用されるものと思われます。
次に横軸に時間、縦軸に運用カバー難易度をあてたマトリクスを示し、いつからどのように進めていけばいいかを紹介します。
長時間かかりそうで難易度が高い場合は、可能な限り早急に着手しなければなりません。この場合、オービックはダブルスタンダード、すなわちIFRSにも日本基準両方に対応できるシステムの用意が必要と考えます。
難易度が高くても短時間で済む、あるいは長時間かかっても難易度が低い場合は、影響度を考慮して対応を考える必要があります。短時間で済み、難易度が低い場合は、初年度はExcelで対応が可能かもしれません。その後、周囲の状況を確認しながらシステム化する案が考えられます。
では、開示をゴールとして、会計基盤をどのように整えていけばいいのでしょうか。適用初年度と初年度以降の2つのパターンを考えることが必要です。
適用初年度は、固定資産はダブルスタンダード、財務もダブルスタンダード、連結会計もダブルスタンダードで、差異情報も含め日本基準とIFRS基準の両方の情報を開示します。
続く初年度以降は、固定資産と財務はダブルスタンダードですが、連結会計はIFRS基準のみで対応できます。
組み替えなどの運用パターンはどうでしょうか。これには3種類が考えられます。
1つ目が単体は日本基準、連結時にIFRSに組み直すパターン。親会社の負担が重くなりますが、影響が少なければ、これでもいいかと思われます。
2つ目が、単体はダブルスタンダードで対応し、それぞれを連結するパターン。将来的には、これが最も一般的で、多くの企業に当てはまると思われます。
3つ目もダブルスタンダードですが、完全にパラレルではなく、IFRSと日本基準の共通仕訳部分を設けるパターンです。
セミナーの前半は以上のように、取り組みへの考え方を示し、後半はどのようなパターンにも対応できる「OBIC7」の機能をデモンストレーションしました。
お客様に画面例を示したのは「固定資産」「財務会計」「連結会計」。単一のシステムでダブルスタンダードに対応できる「OBIC7」ならではの機能を紹介。共通基盤をベースに構築された「OBIC7」のメリットに、お客様はうなずきながら見入っていました。
「B53 IFRS に関するさまざまな悩みにお答えします」は、「B33 IFRS任意適用事例の分析で見えてくる Goalから学ぶIFRS対応の道しるべ」と「B43 最新ソリューションをご紹介 Goalへと導くIFRS対応会計システム」を受けて、”よく耳にする” ご質問への回答+”質疑応答” セミナーです。回答者は公認会計士 最首 克也 氏とオービック社員2名の計3人。あらかじめ用意した質問や当日会場で集めた質問、さらに当セミナー参加者からの質問に答えました。
以下、その質問と回答の概要です。
Q IFRS移行日時点における開始残高はどのように作成すれば良いの?
初度適用は何をしなければならないかをざっと解説。考え方には「遡及する」「免除規定を利用する」「遡及禁止もある」の3つがあり、遡及する場合は「基本、重要性で考える」との回答でした。
Q 当社は子会社もなく、単体ベースで開示をしております。IFRS強制適用後は日本基準とIFRS基準、どちらの開示になるのでしょうか?
そもそもIFRSとは何か、何のために導入されたのかを解説が続き、基本的には「IFRSベースの開示にならざるを得ないでしょう」とのことでした。
Q 任意適用したら初度適用は必要ないの?
「すでに初度適用済みであれば必要ありません」との回答。事例を含めて詳細な解説がありました。
Q 当社は持分法で3グループに連結されています。そのうちの1グループがIFRS早期適用した場合に当社は日本基準とIFRSの両方の処理が必要なのでしょうか?
大変やっかいな話ですが「適用しなければいけない」というのが回答でした。
Q IFRS適用後の管理会計は日本基準?それともIFRS基準でしょうか?
あいまいであり、会社ごとに考えることですが「可能性としては日本基準が残るでしょう」とのことでした。ただ、日本基準も次第にIFRSに近づいていくと予想されます。
Q 海外子会社が1社ありますが、どう対応する必要がある?
現地通貨と機能通貨の説明後、海外からの事例では「現状は厳密でなくてもいいようです」との回答でした。
“IFRS・国際財務報告基準(国際会計基準)の対応”は、経営基盤を強化する好機。
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