全国に多数の小売店舗・商業施設を展開する大手小売業では、対象となる固定資産の管理件数が膨大になります。新店開設に加え、M&Aや機構改革など事業拡張路線の戦略投資が継続し、資産件数は増加する一方です。その結果、下記のような業務が煩雑となり、増え続ける業務要員の抑制や外部開示における内部統制の強化などが大きな課題になっているのではないでしょうか。
OBIC7固定資産管理システムをベースに、業務プロセスを定義し標準化を推進。小売業として必要となる一連の固定資産管理業務の作業効率を大幅に向上することが可能です。また、財務会計・管理会計やハンディーターミナルを使った棚卸など周辺システムとの連携においても正確性・信頼性が向上し、内部統制強化に向けた業務改善もあわせて実現することができます。
全国に多数の『不動産』を所有する企業では、『不動産』の所有形態が複雑化する状況下で、安定収益の確保を目的とした物件収支管理の徹底が強く求められています。また、会計基準改定や税制改正など"義務として対応すべき制度改定"に目を向けますと、非常に専門性の高い会計対応が必要となります。
従来は、別々の部署で行っていた『不動産』物件管理と固定資産管理(『動産』も含む)を統合し、職務分掌の見直しにまで踏み込んだ業務改善を実施するなど、現業ビジネスの業務基盤強化に本格的に取り組む企業が増えています。
従来、OBIC7シリーズの中に別々に存在していた不動産物件管理システムと固定資産管理システムを統合。これにより、不動産関連事業部門の不動産管理業務と財務経理部門の固定資産管理業務をよりシームレスに連携することができるようになりました。各種契約、賃貸、水光熱、預託金、新築・営繕工事、請求入金、債務支払、建仮振替、税務など不動産物件管理に関連する様々な業務を処理すれば会計伝票がすべて自動起票され、建仮振替取引については固定資産取得として自動登録されます。飛躍的な業務効率の向上とタイムリーに情報集約し共有することにより、部署間のコミュニケーションを促進し、マネジメントに専念するための業務基盤の確立に貢献します。
部材メーカーなどの製造業は、製品ライフサイクルの短期化に起因する多品種少量生産傾向が長期化し、生産設備の増強・改修などの資本的支出や、金型などの資産が増加する傾向にあります。また、潜在していた生産設備の税法耐用年数との実態乖離が顕在化し、会計方針として税法とは異なる耐用年数で会計上の償却計算の実施に踏み切る企業が増えています。
OBIC7固定資産管理システムでは、税法償却計算とは別に会計用の償却方法/耐用年数に基づく償却計算を行い、償却超過額の繰越管理ができるようになっています。更に、IFRS対応を見越し、前述の税務・会計とは別の取得価額/償却方法/耐用年数/残存価額による償却計算を行って台帳・増減・簿価の管理が可能です。(税務・会計の他4種類の償却計算に対応)
また、金型現物の外観写真や設計図面などの付帯情報も合わせて管理できるようになっており、財務経理部門における固定資産管理業務の負担軽減に貢献します。
社会インフラとして地方自治体をまたがって資産を保有する鉄道会社などは、レールや枕木などの『取替資産』や鉄道車両・部品など数多くの資産を抱えています。しかしながら、それらの固定資産情報が管轄部署ごとに分散しているため、税務申告や決算において必要な情報を収集・集計するのに多くの人手を介している場合も少なくありません。分散する固定資産情報を一元管理し、管轄部署による共同利用を行って、『取替資産』に関連する申告書類の作成までシームレスに業務をつなぎ、誤謬防止へ取り組む必要があります。
OBIC7固定資産管理システムでは、遠隔拠点の利用者も含めて共同利用する上で必要となってくるID認証/利用権限/操作履歴/承認制御などの機能を標準装備しています。また、『取替資産』の償却計算を行い、別表十六(五)取替資産の償却計算(法人税)や特例該当資産届出書兼明細書(償却資産税)の出力に対応した導入事例がございます。
大手流通小売グループの業務を統括するA社では、長年利用していた固定資産管理システムが老朽化。今後の事業拡張・再編へのスピーディな業務対応に加え、将来予想される会計基準改定への柔軟な対応など、業務コストの増加抑制と安定稼動の継続を目的としてシステムを刷新することになりました。
システム刷新にあたり、周辺システムとの連携も含めて現状業務を網羅的に棚卸し、OBIC7固定資産管理ソリューションが想定している標準運用とのフィッティングを徹底的に実施いたしました。また、作業効率化を最大限はかるために検討した業務改善後の運用を実現するために、主として建仮振替時の按分ロジックと周辺システムとの連携部分についてアドオン開発のご提案をいたしました。
大きな課題になっていた、増加の一途をたどる固定資産管理業務に対して、『現状の業務要員でこなせるようにしよう!』 を合言葉に、お客様・コンサル会社・オービックのプロジェクトメンバー全員が三位一体となって取り組みました。
昨年3月にスタートしたプロジェクトは、本年3月にグループ企業50社超の共同利用の本稼動を迎え解散いたしましたが、比較的短期間で作業完了し早期に効果を享受できたことで、お客様にはご満足いただいております。
業務内容に精通したSEが、A社の固定資産管理を将来にわたりより良いものに作り上げようとする姿勢も含めて、オービックがお客様に高く評価された事例の1つです。(現在は、次ステップとなるIFRS業務標準策定に向けた準備作業を進めています。)
固定資産管理の"業務中核部分"は、どの企業でもほとんど同じで、会計基準改定や法制度改正への対応も共通です。そのため、グループ企業の固定資産管理をクラウドで1つに統合すれば、業務効率や作業負荷、コストの改善が図れ、社内・外の変化に即応することができます。
オービックでは、今後ますますスピーディな対応が求められる固定資産管理業務のニーズに、プライベートクラウド上に共同利用型での運用環境をご提案いたします。システムがクラウド上のサーバで一元管理されているため、法制度の改正への素早い対応や、固定資産に関連する連結決算に必要な各社データの収集が可能になります。