[第2回] 自社開発の独自システムからERPへ

システムも高齢化!?自社開発システムからの全社システムへ切り替える

「消費税改正や法改正などへ対応するための改修でシステムが複雑化」「運用の属人化によりシステム部門の業務負荷が限界に」などの悩みを抱え、独自システムでの運用から脱却しようと考える企業が増えています。しかし、切替えに踏み切れずシステムの老朽化が進行中という企業もまだまだ多く見受けられます。ここでは、将来の情報基盤を強化するために、自社システムからERPへ切り替える際に押さえるべきポイントを紹介していきます。

見えないコストまでを可視化

「ERPよりも自社開発の方が低コスト」と考える人もいますが、詳細な話を聞くと、その試算には社内スタッフによるカスタマイズ費やシステム運用時間などが含まれていないケースが少なくありません。さらに、消費税改正や法改正への対応には、システム全体の改良に加え、十分なテストも不可欠です。また、運用時間をコスト換算に加えている場合でも、忘れられがちなのが、自社開発システムの運用に時間と労力を費やすあまり実施できていない「本来の情報システム部門の業務」における“損失” の大きさです。「自社開発だから余分なコストは発生していない」というのは大きな勘違いです。こうした見えないコストまでを正確に可視化するべきです。

ソフト・ハード・導入・保守・設計・開発・運用・監視
システム化のコストは表面下にもある

システムのガラパゴス化を防ぐ

「わが社の業務は特殊だからERPパッケージでは対応できない」という理由で自社業務にあわせた独自システムを開発し続ける。その結果、他システムとの連携性も低下していき、開発コストがどんどん増えていってしまう。この話、まさに携帯電話業界で起きた「ガラパゴス化」の状況と似ていると思いませんか?自社の基幹システムをガラパゴス化させないためにも、ERP を導入する意義があります。また、最近のERP は、さまざまな業種・業務に合わせたテンプレートが用意されており、特殊と思っていた自社特有の業務にフィットする機能が用意されている製品もあります。また、ERPへの切り替えを機に、自社の業務プロセスの見直し・標準化を図り、業務改善に成功したという事例も数多く見受けられます。

ERP:流通・小売、食品卸・製造、医療・生活用品、運輸・物流、メディア・通信、建設・工事、不動産関連、金融機関
業種・業務に合わせたテンプレートを活用