情報システムセミナーレポート[2018年 新春] 経営管理 不透明な世界経済と今後の日本経済をどう読むべきか
“2018年”経済展望と企業経営

2018年2月9日(金) 東京会場

D51
15:30-16:30
不透明な世界経済と今後の日本経済をどう読むべきか
“2018年”経済展望と企業経営

真壁 昭夫 氏
法政大学大学院 政策創造研究科教授

経済は、世界規模で流動し、日本一国だけでは予測や判断が困難な、不透明な時代となっています。真壁氏は、今年は経済が荒れる年になるだろうと警鐘を鳴らし、米国の金利に注目するよう呼びかけました。その他当セミナーでは、世界経済の展望、日本経済への影響、国内景気の今後の見通しを語りました。

株価の急落

2018年2月に入ってダウが急落し、日本の株式市場も激しく揺れています。「今年はいろいろ起きると予想されます。勉強にはいい機会かもしれません」と、セミナー冒頭で真壁氏は語ります。

世界的な株式の急落を真壁氏は、「来るべきものが来た」と分析します。理由の一つは、世界経済が好調を続けて来たこと。米国トランプ政権は減税や公共投資を打ち、中国は目標を超える9.7%の経済成長率を達成しています。ヨーロッパも日本も企業業績が回復してきましたが、これがいつまで続くかが問題です。

景気が良くなると金利上昇するのが普通ですが、むしろ下がり気味でした。債券を購入しても儲けが少ないことから、リスクのある株式へとお金が流れ、未曾有の株高を記録したのです。AGFA(Apple, Google, Facebook, Amazon)のような魅力的な企業が多数存在していたこともあり、株高はバブル状態となりました。
「この暴落は、市場が調整段階に入っていることを示します。意外でも何でもありません。正常な状態に戻ろうとしているのです」と真壁氏は指摘します。

今年は「金利」に注目

株価急落は、米国の金利上昇が背景にあります。この「金利」が、今年注目するべきキーワードです。リーマンショック後、景気回復のため各国の中央銀行が貨幣を増量するとともに、低金利政策を続けてきました。日本銀行も昨年2017年に、80兆円も紙幣を発行しています。

また、現状の米国金利は低すぎます。インフレ率1.5%ですから、実質マイナス金利となっています。「これでは理屈に合わず、その是正が始まっているのです」(真壁氏)。

米国金利は黄色信号を示しています。米国民は借金して買い物をする人が多く、金利が上昇するとお金を借りにくくなります。住宅ローンが組みづらくなると、住宅着工件数が減ります。人手不足がこれに拍車をかけています。自動車も同様、新車販売台数が減っています。
「金利が3%を超えたら黄色信号です。住宅ローンも自動車ローンも組みづらくなるからです。米国では、3月に上げることができるかが注目ポイントとなります」(真壁氏)。

今年中に米国は、3回金利を上げると予想されています。日本銀行も0.25%上げるでしょう。金利の上昇は景気のブレーキとなります。 「現在の世界経済は問題を孕んでいます。好景気がいつまで続くか。私は今年後半には減速感が出て来ると予想しています」(真壁氏)。

株価は6カ月先の経済を予測して動きます。2月の大暴落は6カ月先の世界経済を示しています。

中国とヨーロッパ

次に注目するべきは中国です。。中国も現状は好景気ですが、これは財政に依存しています。2017年の共産党大会に向けて、習近平国家主席が無理やり持ち上げたものです。これにより、不動産バブルが起きるなど、調整に追われています。人民銀行は紙幣の発行量を減らそうとするでしょう。

ヨーロッパでは、メルケル独首相の求心力低下が懸念され、代わって次の時代を担う人物がいません。今年はイタリアで総選挙があり、政治不安が再燃する恐れがあります。スペインではカタルーニャ地方の独立問題が起きています。英国のEU離脱が、ヨーロッパ経済低迷への入り口となりそうです。

日本の景気予想

日本はどうでしょうか。日本の景気回復は、海外経済頼みという弱みがあります。とりわけ、米国と中国の景気回復に支えられています。景気が良いのは化成品と機械です。中国向けの省力化機械や設備に成長が見られます。インド向けも伸びています。

日本では2012年11月から株価が上昇しており、この理由に円安があります。70円台だったものが、円安となり景気が良くなりました。企業業績が上がり、産業が活性化しています。2017年の円ドル為替市場は安定しており、107円から104円をいったり来たりしています。これほど安定しているのは為替自由化以来ありません。 「米国では今年、中間選挙があり、このままでは共和党の敗北となるでしょう。その対策としてトランプ大統領は貿易赤字となっている、中国、メキシコ、日本に対してセーフガードを発動するでしょう」(真壁氏)。

日本銀行は取る術がありません。すでに財政も厳しい。「問題は2019年10月に予定されている消費税10%をどうするかです。この景気が来年10月までもつでしょうか。大変難しいかじ取りを迫られています」(真壁氏)。

株価に見られるように、6カ月先の世界経済は下落していきます。「2020年にオリンピックがあるから大丈夫と人は言いますが、みんなが言っていることはそうならないことを歴史は示しています」と真壁氏は訴えます。

真壁氏は、最後に仮想通貨に話を転じ、ブロックチェーンの将来性を評価しました。次々と展開される興味深い経済の話題に、多くのお客様が頷きながら聞いていました。

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