情報システムセミナーレポート[2018年 秋] 会計管理ついに実施される消費税増税 押さえるべきポイントは?

2018年10月24日(水) 東京会場

B11
9:40-11:00
待ったなし!消費税増税をめぐる重要ポイント総点検
– 軽減税率、請求書、税額計算、経過措置 –

安積 健 氏
辻・本郷税理士法人 審理室 部長 / 税理士

ついに消費税率引き上げに向けて動き出しました。2019年10月から10%に引き上げられるとともに、軽減税率制度が導入されます。本講演では、税率引き上げにかかる実務処理上の疑問点や、経過措置の取り扱いについて網羅的に確認しつつ、今後の対応策についてわかりやすく解説しました。

軽減税率の食品とは

政府は2019年10月1日から消費税率を10%に増税すると宣言し、同時に軽減税率8%も導入すると内容を具体化しています。これについて安積氏は「8%は据え置きに見られますが、中身は異なります」と説明します。現行8%(消費税6.3%、地方消費税1.7%)ですが、軽減税率では消費税6.24%、地方消費税1.76%に配分が変更されているのです。

この軽減税率は、食品表示法に規定する食品(酒類を除く)に適用されます。
「酒類は除かれますから、みりんは10%。しかし、みりん風調味料は酒類に分類されませんから8%です。また、食品に見える医薬部外品も含まれません。オロナミンCは飲料ですから8%。リポビタンDは医薬部外品ですから10%になります」(安積氏)。

包装材料の場合
食品には、包装材料も含まれます。これは飲料を販売するときのペットボトル、精肉や魚を販売するときのトレイなど、食品の販売に通常必要なものが該当します。

一体資産の場合
一体資産とは、食品とそれ以外の資産があらかじめ一つのものを構成しているもので、全体としての価格のみが提示されているものをいいます。一体資産については、販売価格が税抜き1万円以下などの条件を満たせば、軽減税率の対象となります。

外食とケータリング

複雑なのが外食とケータリングです。外食とは「飲食店業等の事業を営む者が行う食事の提供で、飲食設備(テーブル、椅子、カウンターなど)のある場所において、飲食料品を飲食させる役務の提供」と定義されています。ここでキーワードとなるのが「飲食設備」です。「飲食料品の飲食に用いられる設備であれば、その規模や目的を問わない」として、該当するものにホテルのレストラン、コンビニのイートインなどがあり、これらは10%増税の対象となります。

ケータリングも10%への増税対象です。「課税資産の譲渡等の相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供」と定義されています。
「ただし、取り分けるだけならケータリングに含まれず、出前・宅配は8%となります。有料老人ホームや小中学校などで提供される給食は8%。一方で、学食は特定の学生が選択して利用するため外食扱いとなり、10%が適用されます」(安積氏)。

軽減税率と標準税率の表

軽減税率対象と対象外

軽減税率対象と対象外の図

請求書等

軽減税率の導入にともなって、帳簿と請求書の保存が求められますが、仕入税額控除の方式は次のようなスケジュールで導入されます。

  • ① 請求書等保存方式(〜2019年9月30日)
  • ② 区分記載請求書等保存方式(2019年10月1日〜2023年9月30日)
  • ③ 適格請求書等保存方式(2023年10月1日〜)

「適格請求書等保存方式」の事業者は登録が求められ、「区分記載請求書等保存方式」はそれまでの過渡的な措置となります。
適格請求書等保存の事業者として登録することで、交付義務が発生しますが、3万円未満の公共交通機関よる旅客の運送や、3万円未満の自動販売機および自動サービス機により行われる商品の販売などは交付を免除されます。

適格請求書ひな形適格請求書ひな形の図

「区分記載請求書等保存方式」では、帳簿に軽減対象資産の譲渡等にかかるものである旨を記すこと。請求書などには、軽減対象資産の譲渡等である旨および税率ごとの合計の記載が求められます。

「適格請求書等保存方式」では帳簿は区分記載請求書の場合と同じ、請求書等は事業者の登録番号と課税資産の譲渡等にかかる税抜価額または税込価額を税率ごとに合計した金額および適用税率、消費税額等の記載が求められます。安積氏はこれらひな形も示してわかりやすく提示しました。

税額計算

全額計算は、2023年9月30日までとそれ以降で異なり、2023年9月30日までの税額計算は割戻計算を原則とし、例外的に積上計算が認められます。安積氏はその売上税額と仕入税額の特例の計算方法を詳細に解説しました。

2023年10月1日からは割戻計算と積上計算の選択制になります。
「ただし、売上税額で割戻計算と積上計算を併用できますが、併用した場合、仕入税額の計算方法に割戻計算は適用できません」と安積氏は注意を促し、この売上税額と仕入税額の計算方法を解説しました。

2023年10月1日からの割戻計算と積上計算の選択

2023年10月1日からの割戻計算と積上計算の選択の図

経過措置

経過措置は5%から8%になったときとほぼ同様です。以下が経過措置として認められています。

  • (1)旅客運賃等
  • (2)電気料金等
  • (3)請負工事等
  • (4)資産の貸し付け
  • (6)予約販売に係る書籍等
  • (7)特定新聞
  • (8)通信販売
  • (9)有料老人ホーム
  • (10)特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に規定する再商品化等

今回新たに設けられているのは「(10)特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に規定する再商品化等」です。安積氏の講演は2回行われ、いずれもサテライトがあり、すべて満席。差し迫った消費税改正に向けた対応のヒントを得ようと、聴講者はメモを取りながら熱心に聞いていました。

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