情報システムセミナーレポート[2017年 夏] 経営管理 インバウンド消費の急変、空き家の増大、新興富裕層の急増などの時代の大変化!
続々と生まれる「新たな不動産ビジネスチャンス」のインパクト
「日本の不動産」は次世代ステージへ

2017年6月8日(木) 東京会場

C32
13:00-14:30
インバウンド消費の急変、空き家の増大、新興富裕層の急増などの時代の大変化!
続々と生まれる「新たな不動産ビジネスチャンス」のインパクト
「日本の不動産」は次世代ステージへ

牧野 知弘 氏
株式会社オフィス・牧野 代表取締役社長 / オラガ総研株式会社 代表取締役社長

急増する「外国人旅行者」、拡大する「ホテル不足」、中国・ASEANで急速に伸びる「アッパーミドル・富裕層」、さらに「空き家問題」など。さまざまな課題がある一方で、新しいビジネスを生む可能性を含んでいる日本の不動産。牧野氏の幅広い経験と知見から、不動産の「今」と「明日」を紹介しました。

日本の不動産を取り巻く状況の整理

牧野氏はまず、「地価の推移」から解説をスタートしました。全国住宅地の公示地価はリーマンショック(2009年)以降、初の対前年比横ばいになりました。三大都市は、住宅地も商業地も穏やかに回復。地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)では、すべての用途で三大都市圏を上回る伸びを示しています。

三大都市公示地価推移(商業地:対前年比)・東京4.8%、名古屋4.8%、大阪9.0%(対前年比)・リーマン後、回復に転じたのは2013年・特に大阪の商業地は大幅に回復

一方、空き家は800万戸の大台を突破。「50年間一貫して上昇しており、これほど右肩上がりの統計データは他に知りません」と牧野氏は憂慮します。首都圏でも空き家は急激に増加しており、東京の空き家数は80万戸を越え、ダントツの1位となっています。

また、マンションは600万戸時代を迎えており、その価格もうなぎ登りに上昇しています。賃貸アパートもにわかに伸びています。相続税基礎控除額が引き下げられたことから、相続対策にアパートを建てるケースが増えています。オフィスビルの空室率は、低下傾向が継続し、平均賃料単価についても、ゆるやかな上昇傾向にあります。

・オフィスビル空室率は、低下傾向が継続している。この2年間で2%近い改善・平均賃料単価についても、ゆるやかな上昇傾向にある・一部オフィスでは継続賃料の値上げも検討

延べ床面積1万u以上の大規模ビルは、今後も供給が続き、東京五輪に向けて安定的に建設されていきます。このオフィス空室率の改善の背景には、既存ビル建て替えによる「退避需要」があるようです。

縮む不動産

引き続き、牧野氏は、アフター2020も視野に入れ、深刻化する不動産の課題を解説します。まずは郊外住宅について。バブルのころに建設された郊外の戸建ては、価格が1000万円を下回るものもでてきました。多くのニュータウンでは、建物の老朽化と住民の高齢化が、ともに社会問題化しています。首都圏のベッドタウンでも、急速に高齢化が進んでいます。「全国的に高齢者の単身世帯は573万世帯となり、2033年には空き家率は30%を超えると予想されます」と牧野氏は警告します。

問題はまだまだあります。かつて大ブームとなったリゾートマンションも暴落しており、越後湯沢では中古物件が10万円で販売されているケースもあるほど。首都圏郊外でも200万〜300万円台の中古マンションが登場しています。

また、都内のマンションでは、築25年以上の物件が48%も存在しており、管理費の滞納や修繕積み立て不足が徐々に顕在化しています。

「老朽化マンションの行きつく先は『スラム化』です。空室率30%超えは『マンションスラム化』の始まりであり、米国でもデトロイトがそうでした」(牧野氏)。

今年竣工予定のビルは、都心3区の大規模ビルが中心となっています。今後、壮絶な生き残り戦争が予想されます。新築大規模ビルは既存大型ビルから、既存大型ビルは中型ビルから、中型ビルは小型ビルから「テナントを奪う構造」が顕在化し、中小ビルのオーナーには対抗する手だてがなく、建替え資金の捻出や後継者不足に悩み、放置するオーナーが続出しています。「オフィスビルもテナント『ドミノ倒し』の危険性にさらされています」と牧野氏は訴えます。

伸びる不動産

反面、伸びる不動産もあります。まずはJR駅前のタワーマンションと超高級マンション。これを支えてきたのが中国人と国内富裕層による投資および節税対策です。一般人が購入できるのは低層階のみというのが実態です。

同様に、インバウンドも急増。訪日外国人は2400万人に及び、その原動力は中国とASEANにあります。インバウンドの急増で極端なホテル不足が顕在化し、民泊による住宅活用が注目されています。「『民泊』は、地方での宿泊施設を補う切り札として、期待されています」(牧野氏)。

住宅では、都心への回帰が見られます。1990年代半ばに共働き世帯と専業主婦世帯が逆転し、仕事がしやすいという理由で都心の住宅を選択するケースが増加しています。
「男女雇用機会均等法の改正によって女性の深夜労働が解禁され、さらに大都市法改正による容積率緩和と、超円高による都心部工場の海外移転が重なり、大量のマンション用地が供給されるようになりました。この2つの法律によって都心居住が激増したのです」(牧野氏)。

不動産価値革命が新しい世の中を創る

「2020年以降の日本の不動産は、ハコ物からの脱却が必要です」と牧野氏は強調。「ソフト=知恵」を企画・構成できる不動産が「勝利」する時代になったことを訴えました。オフィスや住宅はこれまで「量的充足」を目指してきましたが、不動産が「コモディティ=汎用品」になる中、従来通りの発想では需要を捉えることが困難となりました。これからは、不動産にどのようなソフトウエアを組み込むかが勝負になります。

鍵となるのは、「企画立案能力」を持った人材の育成」であると、牧野氏は断言します。「新築」に偏った需要から、リノベーションやコンバージョンを含めた資産の組み替えなど、不動産の「利用価値」に重点が置かれる新たな価値観の創出、すなわち「不動産価値革命」が必須となります。

「不動産新時代」をサポートする“OBIC7不動産統合ERP”

牧野氏の講演を受け、オービックより不動産ビジネスの新たな展開を支える“OBIC7不動産統合ERP”が提案されました。 オフィス・住宅・ホテル・物流などの幅広い用途、また開発・販売流通・PM・BM・再生・CREといったあらゆる業態に対応する不動産事業に特化したERPを紹介。
具体的な導入実績として、東京ビルヂング協会と東京ビルメンテナンス協会の2つの協会団体の売上高順会員リストにおける圧倒的なシェアが紹介されました。
それぞれ、PMソリューションやBMソリューションと会計、給与、人事といった管理部門系ソリューションともに他社の追随を許さない実績が披露されました。
これらの事例を紹介した後、「オービックは、不動産の新展開、ビジネスの拡大をERPの力で最大限に支えてまいります。長年に渡る業界経験によりビジネスを知り抜いているノウハウで最適なソリューションを提案します。」と会場に強く呼びかけました。

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