情報システムセミナーレポート[2017年 秋] IFRS・グループ経営 企業グループでの取り組みに見る
『人事情報システムのシェアードサービス展開』

2017年10月25日(水) 東京会場

B31
13:00-14:00
企業グループでの取り組みに見る
『人事情報システムのシェアードサービス展開』

野村 聡 氏
MHIパーソネル株式会社 代表取締役社長

グループ経営の改善・効率化を目的に、システムや業務のシェアードサービス活用が進んでいます。当セミナーでは、三菱重工グループにおける人事・給与システムの導入とシェアードサービス化の事例を紹介。後半の質疑応答では、多くの参加者から手が挙がるなど、関心の高さがうかがえました。

企業グループが目指す人事戦略

グローバル化の進展、企業の事業再編の活発化、M&Aの進展などにより、企業グループの人事管理が大きく変わろうとしています。共通プラットフォームを構築し、人材管理を個社ごとからグループ全体へ、さらにはグローバル化へと進める動きが見受けられます。

三菱重工グループでも分社化を積極的に進めており、グループ会社の数は90社に及ぶ、その規模も数十人から数千人までと幅広く、業種・業態も多岐にわたっています。MHIパーソネルもそのグループの1社で、平成15年に三菱重工業の人事部門が分離して誕生しました。

一般に企業グループの人事戦略は、日本職業能力開発協会の文献によれば、その統制の強弱の観点から「統合型」「緩やかな統合型」「緩やかな分権型」「分権型」に分類されています。「三菱重工グループは、『緩やかな統合型』を目指しています」と、野村氏は説明。グループ全体での適材適所の人材配置や、グループを横断したキャリア形成など、部分最適から全体最適へと向かっているといいます。

オービックからの提案

人事業務のシェアードサービス化にあたって、三菱重工グループではオービックの「人事情報システム」を導入しました。

オービックは、グループ企業再編への迅速な対応、グループ企業人材の活性化、グループ経営の効率化を重要な課題と捉え、グループ基盤統一化のために2つの形態を提案しています。その一つが、業務も含めてシェアード会社が受託する「業務受託タイプ」、もう一つがプライベートクラウド上で展開する「ASPタイプ」です。MHIパーソネルは双方のタイプに対応でき、三菱重工グループの各事業会社に対し柔軟なシェアードサービスを提供しています。

もちろん、当初からオービックのソリューションを想定していたわけではありません。「8社に及ぶパッケージを50項目の視点から比較検討した結果、オービックの提案を選びました」(野村氏)。

三菱重工グループの共通システムの導入

「共通システムの導入以前は、グループ各社は、個別に部分最適のシステムを構築しており、その弊害が目立っていました」と、野村氏は振り返ります。システム改修や運営・維持費に多額なコストが個社ごとに必要になり、グループとしてのスケールメリットも出せなかったといいます。

しかし、人事・給与・就業ソリューションの共通化と全体最適化により、グループ全体の人事情報の一元化やタレントマネジメントへの連携が可能となり、グループ経営を支援できます。「開発とサポートはもちろん、ソフトとハードのシステム資産も当社が保有しています」(野村氏)。

今後は、グループ各社へのサービスの拡充を目指しています。「サービスの品質こそが、当社の存在意義です。人事や給与の業務を受託するシェアード企業は数多くあります。しかし、当社はグループ会社の1社であり当グループの制度をよく理解しており、かゆいところに手の届くサービスを提供し続けることが可能です。」と野村氏は強調します。

質疑応答

ここから質疑応答へと移りました。そのいくつかを紹介しましょう。

Q 人材交流の考え方は?
A 従来は親会社から事業会社への一方向の人材交流がほとんどでした。しかし、三菱重工グループでは、親会社から事業会社はもちろん、その逆方向の交流も活発化させています。親会社の考え方は現場でなければ身に付かないこともあります。積極的な交流により人材活用の活性化が期待されています。

Q 提供する業務の切り分けは?
A 各社の状況や要求によって異なります。業歴が長く人事部にノウハウがある会社には、システム構築や運用などシステム的なサービスを中心に提供します(ASPタイプ)。これに対し、事業を分割して新規にできた会社には、人事や給与の専門家がいません。この場合は、すべての業務を請け負います(業務受託タイプ)。

Q グループの従業員番号はどうしているか?
A グループ企業すべての従業員をグローバルプラットフォーム人事データベースで管理しています。しかし、会社によって従業員番号の桁数が違ったり、グループ内では重複していたりするため、二重管理しているのが現状です。そこでこの課題を解決すべく、グループ会社共通人事システムを積極的に進めています。基盤を統一することで、従業員番号はもちろん、グループ全社員の履歴まで一元管理できるようになります。

Q 標準化が難しい業務とは?
A 各社はそれぞれの事業に専念するべきで、人事などの間接業務はシェアードサービスを利用することが効率的であると考えています。できるだけ多くのグループ内企業がシェアードサービスに移行できるよう定型業務の標準化を進めていますが、想像以上に簡単なことではありません。例えば「勤怠データ入力→給与計算(所得税計算)→明細出力→振込」というようにフローで書くと各社とも同じに見えますが、個社ごとに要件を詰めていくと個社独自の一手間があったり、チェック工程が複雑だったり、さまざまな帳票形式にこだわりがあったりします。過去からの慣習が深く残っており、一朝一夕には標準化できないのが現状です。

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